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ダルクって?依存症って?
ダルク(DARC)とは、薬物(DRUG)等をやめたい仲間の集まる場所です。覚醒剤、有機溶剤(シンナー等)、市販薬、その他の薬物から解放されるためのプログラムを持つ民間の薬物依存症リハビリ施設です。薬物以外でも摂食障害、アルコール依存症という問題を抱えた仲間や重複障害として精神疾患を抱えた仲間もいます。
根本に自助の精神があり、共通した問題を抱える当事者同士が助け合い回復するための場所の提供をし、今までとは違う生き方をする練習の場でもあります。
施設ではミーティング(グループセラピー)をダルク又は、自助グループへの参加により行い、“薬物を使わないで生きる”こと(生きづらさの原因となっている依存対象から離れること)が、ここからスタートします。
そして、そのことを毎日続けることによって、薬等を使わないクリーンな生き方をし、成長していくことが回復となります。(薬物の影響や使用していた頃の習慣から抜けるまでには一定期間必要です。)
ダルクでは、自助グループへの参加や、医療機関との連携も、欠かせないプログラムの一環として行っております。
新しく入寮する方、通所する方は仲間です。依存の悩みを持つ者同士、病気の分かち合いをしながら回復、成長し使わない生き方の実践をしていきましょう。
いろいろな依存症
結果としてこころも体もボロボロになり、症状が進行したまま放置すると刑務所や精神病院、そして最終的には死ぬかやめるかの2つの選択以外なくなることも珍しくありません。
家族や友人からみて依存症に見えても、本人は「私は大丈夫、私はダルクに居る人程ひどくない。本気になればいつでもやめられる。」と思っていることは良くあることです。
病気なので適切な治療が必要なのですが、当の本人が依存症であることを否定している間は治療が難しく、大切なものを全て失ってようやく気づく人もいます。
*ICD
世界保健機関(WHO)が作成する病気の分類が「ICD」です。ICDは医療機関での診断時や国の統計調査で用いられています。
正式名称は「International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)」。日本語では「国際疾病分類」とも言います。
医学の進歩などにより改訂が重ねられており、現在適用されているのは「ICD-11」となっております。
*DSM
アメリカ精神医学会が作成する、「精神疾患の診断・統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」です。頭文字をとってDSMと呼びます。
主な3タイプの依存症
クリックすると、詳しくご覧いただけます
物質への依存
興味本位で始めたという方もいれば、子供の頃親に教わったとか、先輩に無理やり注射されたとか、薬物をやる理由は人それぞれです。自分では止められなくなり、健康や時間お金を犠牲にしてでも依存している物質を入手しようとします。
例:酒(アルコール)、覚せい剤、危険ドラッグ(脱法ドラッグ)、シンナー、ヘロイン、コカイン、MDMA、LSD、大麻、睡眠薬、鎮痛剤、精神安定剤、市販薬
プロセスへの依存
夢中になると長時間に渡りそのことばかりしてしまい、仕事や学校に行けなくなったりします。またそのために大きな借金を作ってしまう場合も多くあります。
例:ギャンブル、ゲーム、インターネット関連、スマートフォン、買い物
人への依存
いびつな人間関係による依存で、相手との距離感がわからなくなり、支配したり束縛したりするものです。携帯やスマホによる際限のないつながりを求める場合もこの依存症です。
例:恋愛、DV(ドメスティック・バイオレンス)、暴力、共依存、児童虐待など
その他(上記3つにあてはまるが、分類が難しいもの)
摂食障害、仕事、セックス、自傷行為(リストカット等)、などの依存は医療の分野では定義づけされているはずですが、日々研究が進み更新されて行きますので、ここでは簡単にこういった種類がある、という紹介程度に留めます。ダイエットや買い物、仕事、セックスなどは普通の行為ですが、その依存度が日常生活や社会生活等を破壊していくようになると話は別です。
依存の対象が違っても、依存症の背後にある問題は共通点が非常に多いです。
大きくとらえて見ると、依存症者はみんな、何かしらの生き辛さがあって、破壊的な行動を起こすに至る思考や行動の習慣を繰り返している状態と言えます。
依存症にともない生じる問題
依存症では、さまざまな問題が起きてくるため、行政や医療機関、精神保健福祉センターとの連携・信頼関係の構築は必須、と言われています。
依存から回復しても社会に戻っていくことができず孤立してしまうことは珍しくありません。
健康被害
薬物が脳に影響を与えると、脳が萎縮して記憶力障害や知能の低下が起きることがあります。モノによっては、心臓発作を引き起こし、死亡に至るものもあります。ヘロインとアルコールの併用で、寝ている時に嘔吐して呼吸困難で死亡することもあります。
覚せい剤の場合は長時間眠らずに行動してしまうので、骨、軟骨、関節、筋肉、筋膜、じん帯、椎間板、神経に負担が掛かり痛めてしまうこともあります。
アルコールは飲み過ぎると肝臓にも脳にも影響を与えます。病院で処方される薬や市販薬でも内臓に負担が掛かる薬もあります。
物質依存だけではないですが、依存行為をしているときに身に付いてしまった思考やものの見方、体の使い方等が習慣化されてしまい、依存をやめても体の不調が続きます。
金銭や生活の貧窮
例えば覚せい剤等の薬物を買うためには多くのお金が必要です。薬物を使いながら仕事をすると、遅刻欠勤が増えたり、問題行動を起こすこともあります。次に職に就きにくくなる場合もあるでしょう。多くの借金を作ってしまったり、家族に養ってもらわないと生活ができなくなる事も多く、症状が進行すると働けなくなることは良くあることです。お金を得るために犯罪に手を染めるという話も良くある話です。
家族が子供可愛さに面倒を見てしまうと、子供はお金が続く限り薬物を使い続けるでしょうし、家族は財産を失うまでお金を使い続けるという不幸な事態となってしまいます。立場によって見方は変わりますが、親が良かれと思ってしたことで子供がますます追い込まれていくこともあります。
非行や犯罪
薬物に関わって刑務所に入っている受刑者はとても多く、SNSを通じて、若い人が性犯罪や薬物事件に巻き込まれることもあります。
自殺
依存症者の自殺率が高いと言われています。
以下のような思考が著しく強くなった、継続してしまった時、自殺行為に至ることがあります。
長く思いつめた末であったり、何かが引き金となり衝動的な場合もあります。
1.自分に自信が持てない、自己評価が異常に低い
2.人を信じられない、人が怖い
3.思っていることを人に伝えることができない
4.自分を大切にできない
5.見捨てられる不安が強い
6.孤独、一人になりたがる
家族関係・家庭環境の悪化
薬物依存症は家族を巻き込んでしまいます。その状況においてどのように対応するかで明暗が分かれることもありますので、心当たりのある方はまずはご相談ください。